2021/09/23
- Kajiki
- 2021年9月28日
- 読了時間: 10分
●映画『オアシス:ネブワース1996』に行ってきた
行ってきました『オアシス:ネブワース1996』
一度目は上映開始日の9/23(木)、二度目は翌日9/24(金)、三度目は9/27(月)。めちゃくちゃ楽しみにしていたので、9/23の分は上映四日前にシティズン先行で立川極上音響上映のど真ん中の席を取りました
自分は2019年ノエルの来日一ヶ月後にオアシスにハマったため兄弟の来日公演に行ったことがなく、今回初めて兄弟のライブを体験できるとあってずっとドキドキしていました。一回目は映画が一体どんな構成のドキュメンタリーに作られているのか気になってしまい終始落ち着かなかったので、ネブワースのライブ自体に没入できたのは二回目以降でした
●映画館の様子やお客さんたちの様子などの覚え書き
〇9/23:立川シネマシティ シネマツー 極上音響上映
・まずネブワースを観る前にシャンチーを観るために11時頃映画館についたのですが、中が暗く一瞬どこが入口だ?と迷いかけました。中に入るとあまりお客さんもおらずそのままシャンチーを鑑賞(めちゃくちゃ面白かったです。シャンチーと友だちになりたい)。シアターを出るとロビーに人が増えている。ネブワースは1階フロアでの上映で、4階でシャンチーを観たあとノンストップで向かったのであまり他のお客さんの服装などは見られなかったのですが、結構若いお客さんも居たような気がします。プリグリのペイズリー柄のポロシャツを着ているお兄ちゃんとかいた。チケットもぎりのところでステッカーも配っており、脇にネブワースのポスターが。写真を撮ってる人もいました
・音響について:一回目で内容に集中してしまったのもありますが、特に飛び抜けて"やばい!!"と思うほどでもなかったような。でも聴きやすかったです。ネブワースに関しては小さなスクリーンで音響を凝ったシアターより、大きな劇場で観る方が個人的には合ってたのかも知れません
〇9/24:イオンシネマ海老名 THX上映
・学校が終わったあとに19:00前の上映に向かう。予約の時点でほぼ満席だった立川とは違い、まあまあの地方なので前日の予約の時点ではスッカスカ。しかし世代のおじさんがチラホラ来てるくらいかな…と思ってシアターに入ると驚くほど若者が多い。U-24割でもやってたのか?というくらいでした。制服ではなかったから私と同じ大学生とか専門学生くらいの人だろうか。みんな学校帰りに映画館に来たのかな。この時点で「ネブワースの観客と年齢層が同じだ…」と結構涙腺に来てしまい映画本編始まる前から泣いてました。世代っぽい男性もそこそこいました。若者の男女比はやはり半々くらい
・音響について:前日に観て構成を知っていたのもあり、音に集中できました。THXシアターは音にもこだわりがあるようですが、スクリーンも大きく収容数も多いので音が聴こえた瞬間歓声に包まれるようで「今ネブワースにいる!」と感じました。映画『ボヘミアン・ラプソディ』の時もこのスクリーンで上映しているのを観に来ました。コロナ禍前、クイーン旋風で満員だったのを覚えています。立川の極上音響上映にも引けを取らないサウンドだと思います。素人なので自分の精神状況で感じ方が左右されてる可能性は大です
〇9/27:川崎チネチッタ liveサウンド上映
・この日は前日に急遽友人と観ることが決定。チッタデッラにも初めて行きました。チネチッタはネブワース公開記念にポストカードプレゼントやパネル展示もしているとSNSで見、行きたいと思っていたので一緒に行ってくれた友人に感謝しています。昼間の上映ということもあり人はまばら。私と友人の後ろの席に大学生くらいのお兄ちゃん三人組とかがいた気がします。前の方に世代っぽい男性もちらほら。女性もいました。観終わった後、映画館と同じ建物内の山野楽器ロックインへ。ネブワースのリアムのポスターと最近のノエルのポスターがギターと共に入口に飾られていました。それを見ていたら店員さんが「ポストカードはこちらですよ」と教えてくださり、普段の生活でオアシスファンの気配を感じることがなかなか無いので、ここにたくさんの人がオアシスのポスカ貰いに来てるんだなと思うと妙に嬉しくなりました。一緒に観てくれた友人が「マスタープラン良かった」「ドンルクが兄が歌ってると知らなかった」と言っていてめちゃ分かる…と相槌を打っていたような気がします(覚えてない)。
・音響について:高音の処理がTHXの方が好みだったような…思い出補正かもしれない。とても満足でした
●『オアシス:ネブワース1996』構成へのツッコミ
構成についておや…と思ったところのメモですが、これが嫌だという訳では無いです
・予告で使われていたリブフォやシャンペン部分は予告通り画面に対して複数の映像を配置したりリズムに合わせてそれを出現させてたりしたが、それ以外は映像ベタ貼り。後に2daysのフルライブ映像を出すことが決定してるのだから、ドキュメンタリーではリブフォやシャンペンの表現で統一して良かったのでは?統一されてないのが謎。全部編集しきる時間がなかったのか
・途中で挟まれている当時の様子の再現映像がフリー素材みたいなカラグレで面白い。実際の映像も使われていたと思うがやはり統一は難しかったのか。チケット予約の様子とか普通撮影なんてしてないと思うのでどうしても新たに撮るしかないというのは分かる
・コラージュ表現は画質の荒さとかを誤魔化すためにドキュメンタリー作品ではよく使われるけど、スパソニと比べるとこのコラージュも作りが中途半端な時間な印象
全体的に突貫工事で作られた作品な印象を持ちました。音源を出す企画は20周年の時にも出ていたようだけど、恐らくこのライブ25周年、コロナ禍でファンに映像を映画館で楽しんでもらいたいと作られたから、年単位で計画を立てて制作した訳では無いんだろう。ヨーロッパ以外ではギャラガー兄弟のライブを生で観ることが難しい今、こうしてライブを追体験できるドキュメンタリーを制作して映画館で公開してくれたのは凄く嬉しいです。ありがとうございます
●『オアシス:ネブワース1996』ここが記憶に残った
自分の記憶力が酷いので、イラストや文でレポを書いてる方々をすごい!と思いながらありがたく拝見しています。弱小記憶力の中でも印象的に覚えているシーンを主観的感想交えて箇条書きします
〇曲について
・一曲目の「Columbia」を演奏し終わった後の兄の表情。ふと観客の方を見、熱狂する若者たちを見てちょっと安心してるように思える
・観客がなんか言ってて「何?」と聴いてからの「『Some Might Say』!」
・「Roll With It」の「跳ねろよ!」めっちゃジャンプしたい…映画館だから無理だけど
・「Slide Away」、どうか最後のワッフォーまで聴かせてくれ!と思ったら最後まで流してくれたので良かった。兄弟が畳み掛けるように歌いあって最後にワッフォーでハモるのがオタクはみんな好きだと思う(誇大主語)
・「Whatever」一瞬しか流れなかったけどリアムの声がめちゃくちゃ良い。パンクっぽい曲も優しい曲も歌いこなしてすごい
・「Cast No Shadow」で兄がすごく楽しそうに笑ってて泣きたくなった。この曲も兄弟のハモりが最高
・「The Masterplan」この曲で緑のライトに照らされた兄の横顔がすごく美しい。自分メインの曲でも上手側に座ったままなのが好きです
・「Don't Look Back In Anger」兄が歌ってる時の弟はもっと違うところで酒とか飲んでるのかと思ったらめちゃくちゃ近くにいた。クレーンカメラにぶら下がってるのカメラマンからしたら勘弁して!と思うだろうけどかわいい。からのキメ顔ファックサイン最高(アールズコートでもやってた)
・「Champagne Supernova」ジョンスクワイア先輩かっこよすぎ。「失業したばっかの俺の友だち~」とか言ってたけど一緒に演奏できてめっちゃ嬉しかったろうな。リアムが音楽に目覚めたのはローゼズのライブだったらしいし。ファンが「ローゼズからオアシスがバトンを受け取って~」とか言った後にすかさず兄が「いや違う。1994年に俺たちがローゼズからバトンを奪ったんだ」って言っててそういうところが最高
・「I Am the Walrus」のアウトロ、兄弟めっちゃ笑い合ってる??そしてお兄ちゃん頭振ってすごい楽しそう…??現在の二人の仲を思い出して胃が痛くなる
〇ファンのエピソードについて
・リアム・ギャラガーがタンバリンをくれたエピ、すごい。リアムに「後で行くから待ってろ」って言われて、後で本当にやって来てタンバリンくれるなんて一生の思い出じゃん。現に25年経っても覚えてるわけだし。1:250000のうちの一人に過ぎない自分の顔をロックスターが覚えててくれたなんて、マジで聖書の中の物語じゃん
・マスタープランの最中に語られた兄妹のエピソード。ファンでもないのに「連れてってやるよ」と兄が連れて行ってくれたネブワースが二人きりで過ごした最後の出来事になった。人生最良の日を若き兄と過ごした思い出は妹の中でずっと残っていくのか
・兄弟で家でラジオをテープに録音していたエピも良かった。自分の特に音楽が好きでもない親(リアムと同い年)もラジオから流れてくる音楽をカセットテープに録音したことあるらしい。音楽を聴くことと自分の行動が伴って記憶に残るのはストリーミングサービスや配信ライブでは味わえないことだと思った。多分ノエルも十代の頃、家でラジオから流れる音楽を聴いて育ったんじゃないか。リアムとは同じ部屋だったから流れる音楽を一緒に聴いてたかもしれない。そんな彼らが今度は会場の何万人、ラジオの向こうの何万人に音楽を届ける側になったのはほんとにすごいし部屋でネブワースを聴いていた兄弟も、「オアシスは俺たちだ」と思えたのかも
〇その他
・ラストの花火すごい。それをうっとりと眺めるファンの女の子の表情もすごくいい(クイーンのモントリオール公演のライブでもステージをうっとりと見つめる女性の様子が映されていて、こういうものの方がバンドを映すよりも雄弁にそのバンドを語るのかもと思った)。まるでこれが世界の終わりのようだった
・最近のリアムのライブのOnceで花火ドカドカ上がってたの思い出した。オアシスの曲じゃなくてソロの曲で上がってたのが良い
・リアム・ギャラガーが最後のコメントで「ネブワースは俺にとってのウッドストック」と言っていて、ちょうど学校の講義でウッドストックについて学んでいたのでそれが頭に残った。69年8月にアメリカで開催されたウッドストックは60年代文化の象徴であり、送別の宴の意味合いが強かった。フェスの前後でブライアン・ジョーンズやヘンドリクスなど著名なアーティストが亡くなった。クリームは69年に、ビートルズは70年に活動停止。ジム・モリソンも71年に亡くなる。96年8月、マンチェスターの労働者階級5人組のバンドを観るためだけに人口の2%もの人々がチケットを求め、25万人がオアシスを観るために訪れたネブワースという現象は何だったのか。前述の花火の壮大さも相俟ってまるで古き良き二十世紀への餞のようだと思った。奴隷たちのブルースからロックが生まれイギリスで発展していった二十世紀、作中で何度も言及されるように誰も携帯を持っていない、誰かに共感を求めるのではなく自分の中だけで感動が完結する二十世紀を象徴する祝祭として、ネブワースがあったのではないか
●「オアシス」とは
2019年にハマってからオアシスって何だったのか全然わからなかったんですが、『オアシス:ネブワース1996』を観て、オアシスは人生最良の日を具現化したものだったんじゃないかと勝手に思いました。オアシスの象徴がリアムだから、人々の中で自分が若かった頃に見たリアムは神様のようで、天使のように、信仰のように美しく絶対的なものとして見えたのかもしれない
自分が若い頃に訪れたコンサートやフェスでリアム・ギャラガーを見て、一緒に歌って跳ね、踊り、「今日が人生最良の日だ」と心の底から思った若かりし記憶がオアシスの曲と共に思い出となり一生残っていくってすごくいいですね
洋楽ハマってすぐにコロナ禍になってしまい全然コンサート体験ができていないので、このドキュメンタリーでファンのコメントを聞いてめちゃくちゃ羨ましかったです。早くコンサートやライブに行ける世界が戻ってきますように
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